顧客コミュニケーション-基本の徹底について

老舗書店を継いだ元日本代表に学ぶ

2020年9月1日にフジテレビで放送されたセブンルールという番組で、大阪の創業74年の老舗書店、隆祥館書店さんが紹介されました。この放送を録画していたので、空き時間に少し見てみようと軽い気持ちで再生しました。ところが、見ているうちに引き込まれ、最後はこのブログを書くモチベーションをいただきました。このブログ記事の結論は、老舗だけでなくすべての小売店の店主は彼女のマネをしたほうがよい、ということです。

書店の店主である二村知子さんは、国際大会で優勝経験もあるシンクロナイズドスイミングの日本代表だったそうです。厳しい環境で学んだ、仕事にかける熱意を保ち続ける仕組みを自分で作っていて、それも7つのルールに含まれています。詳しくは末尾のフジテレビの記事リンク先をご覧ください。

ここでは7つのルールのうち、一つ目の「来店したお客さんには必ず声をかける」についてだけお話します。二村さんは、来店した顧客が読むべき本を探すのを手伝ってほしいと思っている方に、いくつか質問した後に「こんなのどうですか?」と提案します。提案営業自体は昨今では当たり前のことですが、その顧客が提案してほしいかどうか判断するために「必ず」声がけしているのだと思います。

確かに、自分で選ぶからほおっておいてほしいという方もいるので、声掛けするかどうか判断が難しいと思うこともあるでしょう。そこで、店に入ってきた方全員に「こんにちは」と声掛けすると良いと思います。「いらっしゃいませ」をそのあとに付けてもいいです。ただ、「こんにちは」だけでもいい。これなら、提案してほしい方も店員に話しやすくなるし、あまり優秀ではない店員に声掛けを徹底させやすい。あいさつしたくないという店員は、就職先として接客業を選ばないでしょうし、そもそも店主も雇わないでしょう。

企業経営において、成功するためにあらゆる業界業種に共通のこととして、「3S」とともに「あいさつ」が上げられ、多くの企業で新人教育の一番最初に教えているところもあります。成功している、勢いに乗っている、サステイナブルな企業は、必ずこの2点が徹底されています。逆に、だめな企業はどちらかまたは両方ができていない。某人気ドラマの主役も、銀行マンとして企業に融資するかどうかであいさつができているかどうか見ていると言っていました。これは事実です。私が企業訪問時に、イケていないところはまずあいさつをしない。それは、経営者自身が基本を身に付けていないから。地方の中小企業にありがちなのですが、ベーシックなことができないのに、それ以上のことができるわけがない。

基本的すぎる当たり前なことですが、意外と気づかないうちにやらなくなってないか、自問自答してみてください。特に営業数字が伸びていない、落ち込んでいるときは、基本に返って見直し、再度徹底することで突破口が開けることも少なくないです。ついでにいえば、顧客だけでなく、来社、来店してくれた方全員にあいさつするべきです。地方ではマーケットが狭いので、仕入れ先が実は顧客だったとか、将来的に顧客になるということがよくあるからです。

二村さんの7つのルールを全部見てみると、コツコツやることの大事さもわかるでしょう。番組を見逃した方はぜひ下記リンク先の記事をご覧ください。

老舗書店店主・二村知子が自身に課す“セブンルール”「書店とは、地域に貢献するコミュニティの場」 フジテレビビュー